化粧品の説明を読んでいると「鎮静効果」あるいは「鎮静作用」、「鎮静ケア」って言葉がよく出てきますよね。
「鎮静効果」という言葉自体は以前からありますが、化粧品で使われる「鎮静効果」ってちょっと他と意味が違い、しかも使う側によっても意味が微妙に違っているんですね。
ずっとモヤモヤしていた肌への「鎮静効果」の意味について、ちょっと本気で調べてみました。
肌への鎮静効果とは
化粧品業界?として「鎮静効果」と意味について、定義のようなものようなものは無いようで、複数のメーカーやサイトを見て回って分かった、鎮静効果の意味は次のようなこと(らしい)です。
敏感になった肌を落ち着かせ、ピリピリ感などの不快感を抑える(和らげる)効果
ここでは “落ち着かせ” という言葉を使いましたが、メーカーによっては “クールダウンして” とか、“しっとりスージング” とか表現しています(「スージング(soothing)」自体が、「鎮静」とか「落ち着かせる」とか言う意味ですが…)。
「落ち着かせる」のは何らかの成分の働きによるもので、化粧品ごとに「鎮静効果」をもたらす成分は異なります。いくつか例を上げてみますね。
シカペアトナー(ドクタージャルト)
有名な韓国コスメですね。
鎮静効果をもたらすのはツボクサエキスで、その効果として次のようなものが上げられています。
- 炎症抑制効果
- 肌修復効果
- 美白効果
公式サイトにははっきり書かれていないので想像になりますが、鎮静効果は炎症抑制効果と肌修復効果によるものだと思われます。
鎮静の働きはこんな感じでしょうか。
- ダメージを受け炎症を起こして不快感を感じる肌
- 炎症抑制効果によって炎症を鎮める
- 肌修復効果によって炎症の元となったダメージを回復する
かみ砕いてどう作用するのかを考えてみると分かりやすいですね。
シカペアのトナーとセラムの違いを分かりやすくまとめました!アベンヌ ウォーター
アベンヌ温泉水にも鎮静効果があります。サイトにちゃんと「鎮静効果」の内容が書かれており、分かりやすくて良いです。そのまま引用させていただきますね。
効果1 皮膚のチクチク感・イライラ感を鎮める(鎮静効果)
肌は過敏な状態になると、さまざまな“敏感症状”や“敏感感覚”(チクチク感・イライラ感など)が、あらわれやすくなります。アベンヌ温泉水には、肌をクールダウンさせる働きがあるため、このような“敏感症状”や“敏感感覚”をしずめ、肌を快適に保つことができます。
肌への効果|270年目の新発見(アベンヌ ウォーター)
アベンヌウォーターの成分は「温泉水、窒素」とだけ書かれており、『“感症状” や “敏感感覚” をしずめ』るのが、具体的にどんな成分であるのかは分かりません。「温泉水」にそういう成分が含まれている、ということなんだと思います。
肌の「イライラ感」という表現を、私は初めて見ましたがたしかにそう表現したくなる感覚ってありますね。なかなか良い表現だと思います (^^
アベンヌウォーターの使い方!メイク直しの方法を詳しく解説しましたブログで見かける「鎮静効果」
化粧品の紹介で「鎮静効果」(鎮静作用、鎮静効果、肌の鎮静など)という言葉を使っているブログサイトを見ると、化粧品メーカーの言う「鎮静効果」とはまた違った意味で使われていることもあります。
よく見かける使われ方を上げてみます。
- ニキビを鎮静(?)
- 肌荒れを鎮静(?)
どちらも言いたいことは分かります。
「ニキビを鎮静」はニキビを小さくするとか治すという意味でしょうし、「肌荒れを鎮静」も肌荒れを治すということを言いたいということは伝わります。
鎮静という言葉を使ったほうが、読み手「治りそう!」「効きそう!」って思ってもらえるのかもしれませんね。
このような使い方はすでに当たり前になっていて、今後ますます増えるかもしれません。もともとの「鎮静」という肌への効果が分かりにくくなってしまうのは残念な気もします。
まとめ
化粧品でよく見かける「鎮静効果」という言葉。薬や医療分野とは異なる意味で使われているので、どんな意味で使われているのか調べてみた結果を私なりにまとめてみました。
- メーカーは、肌を落ち着かせ不快感を抑える効果
- それ以外のブログ等のメディアは、幅広く意味を持たせて使用している
国内の化粧品メーカーはあまり「鎮静」っていう言葉を使っていませんよね。
本記事で取り上げた、シカペアトナーもアベンヌウォーターも海外の化粧品です。国内では化粧品で使用できる言葉に制約があるのかもしれません。